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心動かされた”日本のあたたかさ”を、今度は自分が届ける番

心動かされた"日本のあたたかさ"を、
今度は自分が届ける番

Sowaka Staff

楊 芳懿

Yang Fang I

サービスを越えた優しさと温かさに魅了されて、ホテリエの道へ


 生まれ育った台湾で一般企業の社員として働いていた私が、日本で働くことを決意したきっかけは、8年前の京都旅行です。

 京都の町を歩いていた最中、履いていたサンダルが壊れてしまいました。替えの靴も直す術もなく困っていた際に、とりあえず昼食を取ってひと休みしようと入ったお蕎麦屋さんの店主が、壊れているサンダルに気づき接着剤で直してくださいました。私から助けを求めたわけでも無いのに、困っている様子に気がついて手を差し伸べて下さる優しさと、それが当たり前の文化として根付いている日本の心に、深く感動しました。その出来事から、日本でサービス業に携わりたいという思いが強くなり、よりお客様と距離の近いコミュニケーションができるホテル業界での就職を決意しました。

 京都では複数のホテルで就職活動を行いましたが、SOWAKAに入った瞬間、それまで訪れたホテルとは全く違う温かな空気を感じたことを覚えています。面接時に接した社員の方々をはじめ働いているスタッフ、そしてゲストに至るまで溢れる温かさを感じ、この環境で挑戦したいと思い、入社を決めました。

「一人ひとりに寄り添いたい」その想いが導く、心に残るサービスの形


 入社後はレストランに配属され、ゲストのお出迎えや料理の提供といった基礎的な業務だけでなく、一人ひとりに合わせた食体験の提供まで学びました。SOWAKAでは教育制度が整っており、世界中の5つ星ホテルの経験を有するHERMのオペレーションチームによるトレーニングの機会が設けられています。これにより、自分自身のスキルを日々少しずつアップデートすることができ、より一歩踏み込んだコミュニケーションやプラスアルファのサービスを提供できるようになったと実感しています。

 現在は、レストランとフロントを兼任しています。ゲストと密に接するようになってからは、ご到着された瞬間からお帰りになる瞬間まで、ゲストに寄り添うことが自分の役割だと強く感じるようになりました。フロントでお出迎えしたゲストにお食事を提供する際、私自身を覚えていてくださったことや、何度かコミュニケーションを重ねることで徐々に親しみを抱いていただく瞬間は、心から喜びを感じます。

期待を超えるサービスが生み出す、ゲストとの深い絆


 以前、SOWAKAに再訪されたゲストの方に「前回接客してくれた台湾の女の子はいますか?」と声をかけていただきました。数あるホテルの中から再度SOWAKAを選んでいただいただけでなく、私のことまで覚えていてくださったことに深く感動し、思わず涙が溢れました。HERMが掲げる “スタッフとゲスト”の域を超え、”人と人”として築く関係性によって深めることのできたゲストとの絆を感じる瞬間となりました。

 お祝い事や特別なイベントの際に豪華な空間を演出してお喜びいただくことはもちろん大切ですが、それ以上に、日常の中での接客やサービスを通してゲストの心に残る体験を提供できることは、大きなやりがいに繋がります。ゲストの想いやニーズをくみ取り、その時々で何を求めているのか、どんなことに喜びを感じるのか先回りして考えるようにしています。期待を超える体験を提供することで、再び私たちに会いにきてくれたゲストとの間に感じる深い絆は、この仕事の最大の誇りです。

知識とスキルを磨き、仲間と共に更なるレベルアップを目指す


 以前、フロントで宿泊手続きをしていた際、ゲストから「この辺りでおすすめのお蕎麦屋さんはありますか?」と聞かれ、即座に答えることができなかったことがありました。自分の知識やアイデアが足りないが故に、目の前のゲストが求めているものを提供することができなかった悔しさが忘れられず、それから周辺のお店を調べたり、実際に足を運ぶようにしました。この町への理解を深め、自分の視野を広げることで、今では自信を持って提案できるようになりました。”人と人”として会話と関係性を紡いでいくからこそ生まれる繋がりを、これからも自らの手で生み出せるように、日々新しいことに挑戦しアップデートし続けたいと思っています。

 また、パーソナライズサービスを実現するためには、周囲との連携が必要不可欠です。昔から町の人たちに愛されているお店を教えてくれるメンバーや、新しいお店の情報を誰よりも早く仕入れてくるメンバーもおり、お互いを助け合う文化にはいつも支えられています。海外出身者も複数在籍しているため、それぞれが持つ強みや個性を生かして、色々な意見を交わしながら得られる刺激も多く学び多いです。ゲスト一人ひとりに自分らしく過ごしていただきたいという想いのこもった温かい空気感は、スタッフ一人ひとりの思いやりやお互いを尊重する意識が創り出していると感じています。

京都を越えて日本の魅力を知り、より自分らしさを育む


 HERMには自分らしさを尊重してくれる文化が根付いているため、自分の価値観や新しいインスピレーションを得ることを、特に大切にしています。プライベートでは一人旅に行くようになり、これまでに島根の出雲や岐阜温泉を訪れ、実際にその土地を感じることができました。その地域にしかない個人経営の料理店で店主や地元の方々と会話を楽しみながらお酒を味わう時間は、私にとって最高の幸せです。旅を通して得ることができた特別な体験、そこで出会った魅力的な人たちとの時間は、日々の業務のモチベーションにも繋がっています。

 SOWAKA、そしてHERMの一員として、よりゲストの印象に残るホテリエになるために、ゲストの目や表情を見ることや私自身も一緒に会話を楽しむなど、できるところから意識的に取り組んでいます。

皆さんへメッセージ



 HERMでの毎日は、高みを目指した挑戦の連続です。最初は思うようにサービスを提供できず悔しい思いをすることもありましたが、振り返れば一つひとつの学びと、周りで支えてくれる仲間が自分を成長させ、次第にゲストの笑顔を見られる瞬間が増えていきました。ゲストが笑顔で帰っていく時や、何度も足を運んでくださった時には、言葉にできないほどの喜びを感じます。私たちが提供するサービスや空間が、ゲストの記憶に残り、また訪れたいと思っていただけることは、最高の励みです。

 お互いの個性や強みを活かし、常にポジティブなエネルギーを持って取り組んでいける環境がHERMです。共に挑戦し続けることで、一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出し、ゲストに最高の体験を届けることができると信じています。皆さんと一緒に働きながら、日々新たな発見と成長を重ねていけることをとても楽しみにしています!